製作秘話 ~翼~
どうもこんにちは。 翼班の草野です。
鳥人間界隈の方々は私のことを割と知っていると思いますが、改めて簡単に自己紹介させていただくと、交流会とか展示会とか鳥コン会場とかいろんな場所に出現する人です。HUES内では小野、花原、梅本と4人で構造や製作方法の開発を行っています。
最近ロードバイクを新調してサイクリングに出かけることが増えてきました。所属している水泳部の方でのトレーニングと合わせて、より強い身体づくりを目指しています。
ちなみに2月の呉での展示会には、雨でない限り自転車で行く予定です。(帰りは暗いから輪行かな…)
さて、今回は翼班の製作秘話、その中から皆様が気になるであろうV字尾翼について綴らせていただきます。(なんであんなにバンク角が付いているのか気になる方もいらっしゃると思いますが、それは梅本に聞いてください)
そしてこの文章、フレーム班の児玉さんから『早く書いて』と何日も脅されて、やっと書き終わったものですので、ぜひ最後までお付き合いください。(あの人、怒ったらめちゃくちゃ怖いんですよね笑 機嫌を損ねないよう怯えながら作業しています。)
※冗談です。←ここ重要
V字尾翼のメリットと採用した経緯
V字尾翼の主なメリットとしては、従来の水平、垂直尾翼と比べて抗力が少ないということが挙げられます。設計の梅本君と『いつかは双発高速機を作りたい』と話し合い、その第一歩として採用しました。
さらには(機体製作がうまくいけば)パイロットが直感的に機体を操縦できるようになるといったメリットもあります。
基本構造の決定
今までの機体では尾翼全体を動かす方式を採用していたのですが、尾翼取り付け部が主翼と同じ『かんざし方式』となり、同様な機構で作るのは困難と判断したため、フラップ方式を採用しました。将来的には尾翼マウントの簡素化、機械的に初期迎角を決定できる機構の導入を進めていこうと考えています。(これについてはフレーム班からの『Vテールマウント製作が大変』という意見があったためです。)
製作方法の見直し
マンドレル(アルミの角材)等を用いた私たちが行っていた従来の製作方法を見直し、治具を用いた製作方法を試してみました。この方法はHUESでは前例がなく、他チームの手法をベースとしつつ、独自の手法を用いています。
まず、リブと治具を合わせて切り出した後、定盤の上に翼桁を通したリブを並べ、接着させる。
次に、ストリンガーを接着した後、治具を切り取り、プランク材を貼る。
最後にフィルムを貼って完成。(今まではヒートガンを用いた収縮を行っていましたが、フィルムの張りすぎや穴あき防止のためにアイロンを用いています。)
同様にフラップ部分も製作しました。
可動部の構造ですが、サーボモーターを母翼内部に設置し、そこから延ばしたアームによってフラップを動かすようになっています。また、フラップとのつなぎ目には、アルミパイプとアルミ棒を使用した自作の蝶番を接着しています。この蝶番も将来的にはさらに精度を高めたものに変更したいと考えています。
今後の展望
悪天候のために中止になった1月のTFに向けて製作した尾翼は、フラップ部分のねじり剛性がかなり弱く、たわみやすいといった問題点を抱えています。そこでフラップ及び後縁の強度と制作精度の向上を図るため、新たな構造を試してみようと考えています。後縁部にバルサ材やカーボン素材を多用すると同時に、各部品の接着方法も従来のスチのりからエポキシ接着剤に切り替えることも検討しています。
他にもプランク材にスチレンペーパーを用いることや、リブ立て用の治具の開発、ストリンガー形状の変更等、これまでの機体の製作方法の見直しを検討しています。
しばらくの間は作っては破壊の繰り返しになるとは思いますが、鳥コンに出場するためのより良い翼を製作できるよう、翼班一丸となって日々精進していきます。